ブンジュ村の人たちの教え(前編)「ショーゲンさんが体験した大切なこと」

本の紹介

■①世界一美しい仲直り

ある朝、文化の違いで、20歳くらいの男の子と言い争いになったそうだんです。夕方になって、海に誘われた。

彼は海へと入っていきます。

僕も後について海へ入っていきました。

20メートルくらいの距離で向かい合った、

「そのまま、そこで待って」と言われる。

するとそこから夕焼けが水面にでてきました。

僕と彼の間に、オレンジ色の美しい夕焼けが横たわっています。

彼は、水面に映る夕陽を指して「ショーゲン、これはなんだと思う」と話してきた。

「あたたかい境界線だよ」

そして「もう言い合いとか、イザコザは終わりにして、一緒に帰ろう」と言いました。

➡美しい話ですね。村で仲直りのルールを作っているんですね。終わりのない争いをしないための重要なルールですね。またこの村のルールとして素晴らしい発想だなと感じたのは、もっとも美しい瞬間を利用して仲直りをしているんですね。これは、私たちの源との一致を圧倒的に思い出させる瞬間に、小我から大我への転換を図っていってるんですね。本当に村の智慧のすばらしさを感じるエピソードです。ここでもう少しわかることを離しますと、人間は自然の中に身を置くことで、本来の在り方を思い出しやすいということです。ですから自然がない環境を作りすぎると、人間としての本来の在り方を忘れてしまうということでもあります。こういったエピソードをみても、もう一度原点に立っていきたいテーマでもありますね。

■②「抱きしめるようにして話すんだよ」

ある日、僕は3歳のザイちゃんにこんなことを言われました」。

「ショーゲンは、肌と肌が触れ合うのが温かいってことがわかっていて、私にその言葉を言っているの?」

➡あたたかさは人間としての生命の息吹を感じさせるんですね。ですからこの温かみをもった人間が発する言葉にもそういった息吹がのっていかないと、人と人とのかかわりを本当の意味で体験することができないんですね。子供というのは、こういった言葉に乗るエネルギーを敏感に感じます。特に自然の中で育った子供というのは、こういったエネルギーがより忘れずに残されています。現代社会の根源的な問題が秘めているように感じますね。

■③お腹いっぱいになったら、歌おう!踊ろう!

ある日、お昼ご飯を食べ終えてゆっくりしていると、ザイちゃんがやってきました。

「歌わないの」

と僕に不思議そうに聞いてきます。

「どういうこと?」

「お腹いっぱいになったら、うれしいでしょ?嬉しかったら、歌うでしょ」

➡喜びがあふれた時に、素直に表現する。こんな子供のころに当たり前にしていた感覚を思い出させる内容ですね。嬉しいときに嬉しいという、喜ばしいときに喜びを表現するというのは、もし人間が周りのことに意識がいかず、素直な自身のあり方として表現するとしたら、全身で表現するというのは、イメージできると思います。それだけ何か社会や周りの影響を自身で勝手に感じて、素直に表現できない日本の現代像を典型的に表現していると感じますね。

■④ブンジュ村の挨拶「今日、誰のために生きる?」

ブンジュ村の人たちの挨拶は、とてもユニークです。

「おはよう、今日も空を見上げている?」

「今日も裸足で土を踏みしめようね」

「今日は太陽に照らされた野菜たちが、すごくうれしそうだね」

「この晴れ渡る感じが、今日もオレたちの中にあったらいいね」

「差し込んでくる光が希望に見えるね。今日は絶対いいことが起きるよ」

これがこの村の挨拶なんです。

ここでは、「空を見上げる心の余裕」を大事にしています。

「なんでショーゲンは、そんなに心に余裕がないの?」

「ショーゲンがもっと心に余裕ができたら、お話ししてあげるね」

と、ザイちゃんから「会話拒否」をされたことだってあります。

➡こちらは先程の内容に関連が強いです。自分を生きることを大切にした結果として、周りも大切にできているんですね。心の余裕がないと空を見上げることがありませんね。これは、現実にどっぷりフォーカスがあたって、その中に両足突っ込んでいる状態ですね。それを空を見上げるという事は、別の視点に切り替わることができるということでもあります。全身全霊で表現できるあり方を大切にしていることが感じられる内容ですね。

■⑤残業しない理由

「カンビリさん、キリンの足、あと一本描いたら完成するのに、どうしてやめちゃうの?」

僕は驚いて聞きました。

「もう仕事を終える時間だから」

カンビリさんは、

「休む時間を削ってまで、仕事をしているところ

を誰かに見られたら恥ずかしいよ」

自分の休息を削ってまで仕事を優先するのは、恥ずかしいこととさえ思っているのです。

➡自分を大切にすることと家族を大切にすることはつながっていますね。仕事というのは、自分を大切にすることと家族を大切にすることの延長にある手段ですね。ですから仕事を目的にしてしまって、自身の生き方や家族を大切にすることを忘れてしまったら、本末転倒になりますね。そうやってだんだん忘れてしまった世界が、自分と世界を見失ったあり方になってしまうわkです。心の余裕、何のために生きているのか、何を大切にするのかなどの投げかけがすごくダイレクトに響いていく内容になっていますね。

🌟引用参考文献は以下となります↓

コメント

タイトルとURLをコピーしました