現代社会では、スピリチュアルという言葉が多くの人々に親しまれるようになり、自己成長や癒しを求める場面で注目されています。しかし、その人気に乗じて、スピリチュアルを利用した詐欺が増加しているのも事実です。特に高額な料金を伴うサービスや商品を提供し、その代償として安易な「成功」や「幸運」を約束するものには注意が必要です。本記事では、スピリチュアル詐欺の典型的な手口や対処法について解説します。
1.スピリチュアル詐欺の典型的な手口
①心理操作と「コールドリーディング」
コールドリーディングとは、相手の反応や情報を巧みに読み取り、まるで「心を読んでいる」ような印象を与える技法です。例えば、「あなたは最近、大きな決断を迫られていませんか?」のような曖昧な質問を投げかけ、相手の答えに合わせて話を進めていきます。この手法は占い師やスピリチュアルカウンセラーを装う詐欺師によく使われます。「当たっている」と思わせることで信頼を得て、さらに高額なセッションや商品を売り込むのが典型的な流れです。ですからここで行われていることは、相手の心地よい状態を作り出し、気分よく帰ってもらえるかがとても重要なわけですね。この高揚感という対価にみなさんは多くの金銭を払っていることになります。
②「真実」と「嘘」の巧妙な組み合わせ
多くのスピリチュアル詐欺は、一部の科学的事実や心理学的な概念を取り入れ、それを基盤にしたメソッドを構築します。たとえば、引き寄せの法則という概念には、「ポジティブな思考が行動に影響を与える」という科学的に支持される部分がありますが、それに不確かな要素を付け足し、「思考だけで運命が変わる」などと誇張することがあります。このような過度な簡略化や誇張は、多くの人々に魅力的に映りますが、現実的な結果をもたらすものではありません。また、金銭的な引き寄せの多くは、投資詐欺と同様に不確定な未来を簡単に叶えてお金持ちにするという、俗世間的な印象を与えるものであり、これはスピリチュアルな探求とは本来矛盾する思想です。お金のブロックを外してとか、愛してとか、お金と仲良しになるみたいな思想で、こういった思想に惑わされている例が非常に多く見受けられます。
お金を得ることが悪いわけではありませんが、スピリチュアルな探求ともに、お金というものを引き寄せる思考にはなりません。それをそもそも誘導している方というのは、お金儲けの視点がある方が多いので、受け手はお金を失うという構造に気づきましょう。
また引き寄せに関わずスピリチュアルメソッドの多くは、悟りや覚醒、統合を促す内容の真実を一部取り入れて、都合の悪い嘘の部分も組み入れていれていきます。都合の悪い嘘の部分というのは、みなさんが安易に叶えられて、簡単に悟りや覚醒、統合に導けると、皆さんにとっては、とっても都合の良い情報になります。これを取り入れることで、すごいセミナーなどで高揚感を得ることが可能です。例えば、ワクワクという表現は有名なスピリチュアルリーダーが当時発信し拡散しましたが、ワクワクというのは非常に都合の良い情報です。楽しいこともそうです。これによって例えば、楽しいから良いしワクワクするから良いと言って、豪遊したり、高価な食事や飲酒をしたりしている方々に皆さんはお金を払っていることになるわけですよ。他にもイメージを用いたチャネリングもそうですね。イメージというのは簡単です。だれでもできます。ですからできたと思わせる最も都合の良い内容です。
他にもこれだけすればといって、何か一つすればできるみたいなもので集客して、悟りや覚醒、統合などの覚者の言葉を織り交ぜてうまくトークを重ねていきます。ここにさらに追い打ちをかけるように不安や恐怖を少し織り交ぜて、皆さんに継続的に参加を促します。このままでは危ないよ。このままでは大変なことになるよという風にですね。これによって高額セミナーは完成していきます。
③耳障りの良い言葉で巧みに誘導
「すぐに夢が叶う」「あなたの人生はここから一変する」など、心地よく、希望を抱かせる言葉は注意が必要です。特に人生に迷いや不安を抱えている人々にとって、これらの言葉は非常に魅力的に映るかもしれませんが、それこそが詐欺師の狙いです。特に高額な料金を請求する内容に、このような甘い言葉が添えられている場合、冷静に考えてください。。
④コミュニティの圧力と依存の誘発
スピリチュアル詐欺の中には、「仲間意識」や「コミュニティ」を強調するものもあります。これは、疑問を抱く人を孤立させたり、「このグループにいる限り安心だ」と思わせたりすることで、依存を生み出します。その結果、高額な会費やイベント参加費を払うことを強要されるケースも少なくありません。
2.詐欺を見抜くためのチェックリスト
スピリチュアル詐欺に巻き込まれないために、結論をここで申し上げます。
スピリチュアルが詐欺になるポイントを1つに絞ると、相手がお金儲けかどうかだけです。ここがスピリチュアル詐欺の全ての根源です。
なぜかというと、スピリチュアルな探求の先には、お金が概念になっていき、お金という音だけがこだまするかのように意味を失っていきます。ですから、スピリチュアルな覚者たちがお金をネタにしてセミナーを開くこともなければ、高額な費用の請求もすることはありません。スピリチュアルなテーマを扱っている方が、ビジネスとして開催して、豪遊して生活していたら、これはスピリチュアルではないです。
ですから、お金にまつわるテーマやお金を過分に請求する方々からいくら学んでもスピリチュアルな能力が高まることはありません。
3.健全なスピリチュアルの探求方法について
スピリチュアルの世界を健全に楽しみたい場合、以下のポイントを心に留めておくと良いでしょう。
①自己探求を優先する
スピリチュアルな成長は、他者から与えられるものではなく、自分自身の内面から始まります。瞑想などを通じて、内省する時間を設けましょう。スピリチュアルな探求というのは、一人一人が自分で成長を遂げていくものです。それを促してくれる内容で、依存させてくる内容に振り回されてはいけません。現世利益みたいなものを安易に求めて、どんどん無駄な浪費をしないようにしましょうね。現世利益は、みなさん正しく瞑想をすること、スピリチュアルな探求の過程で、結果論として恩寵のように訪れてくるものです。
そして体験を優先してください、スピリチュアルな探求は外側に求めるものではなく、内側の体験を大切にします。ブッダは、科学のない時代に、自らの探求によって真理を体得し、悟りを開きましたね。ですから、私たちも自分のスピリチャルな探求を行っていけばよいんです。
②信頼できる情報源を選ぶ
これは簡単ではありません。金銭の請求と思想の強要が行われていないかのみを求めていくと良いと思います。その過程で、正しいことを教えてくれる先生に出会えるかが、スピリチュアルな探求としての楽しみです。お金を要求されなければ、時間の浪費にしかなりませんし、最終的には知識や探求の高まりとともに、正しい方向にベクトルはあってきます。正しい方向にベクトルを合わせていくために必要なベースは瞑想になります。もっとも安全で科学的な裏付けのあるスピリチュアルな探求はマインドフルネス瞑想ですね。これをまず取り入れると良いです。そしてマインドフルネス瞑想で気づきのレベルをあげてください。そうすると正しい導きにつながっていくでしょう。
それ以外に言えるのは、やたらイメージを使いましょうとか高次な存在をというのはあまりお勧めしません。
③批判的思考を持つ
批判的思想を持ってはいけないよと教わることが多いかもしれませんが、ぜんぜん良いと思います。疑いがはれているときというのは、覚醒の第一歩を遂げている時で、結果論で考えるのではなく、もっと批判的思考を持ちながら、自身の探求を深めてください。そうすることで、より正しい方向に最終的に向かっていくことになるのではないかと思います。
4.終わりに
スピリチュアルな探求は、私たちの人生に豊かさや癒しをもたらす可能性を秘めています。しかし、その一方で、その世界を利用して利益を得ようとする人々が存在するのも事実です。特に高額な料金を伴うサービスや、「簡単に幸せになれる」といった甘い言葉には慎重になる必要があります。
そして繰り返しになりますが、一つだけに絞るとすると費用が高額かだけにしぼるのが詐欺を回避するための最善の手段です。安心してスピリチュアルの世界を楽しむためにも、ぜひこの記事を参考にしてください。
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